母からの粋な金沢みやげ

先月日本に行ったとき、母に会いました。
毎回帰国するたびに地元のおいしいものを用意してくれる母。今回は一風変わった、金沢の和菓子を持たせてくれました。その名も「フランボワーズ羊羹と能登オリーブ羊羹」!甘納豆かわむらという老舗の和菓子屋さんのお菓子です。甘納豆かわむらは古き良き風情が残る芸者の町、金沢西茶屋街にお店があり、芸妓さんたちの「お持たせ」として慕われてきました。知る人ぞ知る人気店ですが、デパートや空港、県外ではお取り寄せしていないとのこと(一部21世紀美術館で取り扱いあり)(出典)。基本的に金沢の西茶屋街を訪れないと、お品が手に入らないということですね。

このフランボワーズ羊羹、なんとフランス産のフランボワーズをわざわざ使っているそうです。そしてオリーブ羊羹のオリーブは石川県能登産。能登と言えば、荒々しい日本海と新鮮な魚介類のイメージがありますが、オリーブを作っていたなんて知りませんでした。調べてみると、能登半島能登島の耕作放棄地を解消するため、農事組合法人ラコルト能登島という団体が、オリーブを植える活動をしているそうです(出典)。これはおもしろそう!能登半島にイタリアトスカーナのような風景が現れたら…新鮮な魚介類と一緒に、地元のオリーブでおいしいイタリアンの店がオープンしたりするのかな。過疎化が進む能登半島に元気を与えるプロジェクトになるのでは、と楽しみです。

この2つの味の羊羹は、1つのパッケージに入っています。袋から出してみると、フランボワーズとオリーブの可愛らしいイラストが。

羊羹って、おいしいんだけど、切るのがちょっと面倒…と思っていたところ、付属ので切れるという説明が!なんだこれ、すごい!斬新すぎる!こういう創意工夫は、さっすが日本!と拍手したくなります。

さっそく切ってみます。底を指で押し出しながら羊羹を出し、糸をぐるっと巻き付けて…カット!
最初はきれいなワインレッドの羊羹(フランボワーズ)が出てきて、その後渋い緑色のつぶつぶがはいった、透明の羊羹(能登オリーブ)が出てきました。こういう仕掛けになっていたのね。これは楽しい♪ でも、最後の方は指の長さが足りず、羊羹が出てこない!(笑)

せっかくなので、お気に入りの地元の九谷焼作家、銀舟さんのすてきな角皿に乗せて、頂きました。
旦那がフランボワーズを一口食べた瞬間、目をつぶり、眉間にしわを寄せて「うーん」とうなっている…これはめちゃくちゃおいしいのサインです。(笑)
口に入れると、フランボワーズの上品な香りがしっかりして、あんこの甘みと溶け合います。羊羹は柔らかく、こしあん独特のざらざらした食感が程よく楽しめます。あぁ、おいしい。
続いて能登オリーブ。これは、今まで食べたことのない味わいでした。まず面白いのが食感。オリーブのつぶつぶがしっかり感じられます。そして少しの苦み。我が家にある、奮発して買った高級オリーブオイルは、スーパーの安物より苦みが強いんですが、その苦みに似ているな~と感じました。グリーンな、フレッシュな苦み、という感じでしょうか。能登オリーブがますます気になってきました。

こんな小さな羊羹1つに、いったいどれだけの人のアイデアや奮闘、そして歴史がつまっていることでしょう。フランスからわざわざ金沢にやってきた、フランボワーズ。放置された能登の大地に、新しい命を吹き込んでいるオリーブ。金沢の伝統を守り続けている、老舗の味。それぞれが融合して、調和して、まったく新しいストーリーを作っている、そんな感動を覚えました。

それから、この羊羹はフランスと石川の食材のマリアージュ。まさに私たち夫婦(旦那はフランス人)にぴったりです。さすが母。こんな粋な贈り物を、どうもありがとう!

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